夏が来ると思い出す野球と父

夏になると必ず、私の心の中にある1つの風景が浮かんできます。
網戸に蚊取り線香。ちゃぶ台には三日月型に切られたスイカが並んでいます。
聞こえてくるのは、ピナクルスポーツから流れるプロ野球中継のアナウンサーや実況の声。
野球
まるで昨日のことのように、音や風や匂いまでも感じることができるのです。
それはきっと私が子供の頃、野球を見せられて育ったからだと思います。
当時、家にはテレビが1台しかなく、チャンネル権は完全に父の支配下にありました。

父は毎日きっかり8時に帰ってくるので、8時から放送終了時刻まで我が家は野球の時間でした。
あの頃は好きなバラエチィ番組や歌番組が父のせいで見られず、父のことが嫌いになった事もありました。
大人になった今では、父の気持ちがわかります。家族のためだけに働いて疲れきって帰ってくるのだから、
好きな野球くらい文句を言われずに観たいと思っていたのでしょう。
ピナクルスポーツしながらごろごろしていたかったのでしょう。

社会人になってから、父にプロ野球の観戦チケットをプレゼントしようとしました。
しかし、父は自宅でビールを飲んでゴロゴロしながらTVで観る方がいいと言って断りました。
私は、球場で臨場感を味わいながら観戦する方が絶対楽しいと思っていたのですが。
どうやら野球好きはTV観戦派と球場観戦派とで、楽しみ方が異なるようです。

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